アイルランド共和国の基本情報
正式国名や首都・人口について
正式国名 | アイルランド共和国 / Republic of Ireland |
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首都 | ダブリン |
面積 | 84421平方キロメートル |
人口 | 492万人(2019年時点) |
公用語 | 英語・ゲール語 |
主要都市 | ダブリン、ゴールウェイ、キルケニー、 リムリック、コーク、ベルファウストなど |
アイルランドの歴史と文化〜イギリス、フランスなどヨーロッパ諸国からの影響
まず、アイルランドで思い浮かぶものは何でしょうか?アイリッシュ・パブやギネスビール、歌手ではU2やエンヤなどが有名ですが、イギリスの隣国ながら、日本人にはアイルランドはあまり馴染みの深い国ではないかもしれません。現代のアイルランドという国を理解するには、背景としてヨーロッパ諸国、特に英国との深い関係を知る必要があります。
アイルランドには約9千年前から人が住んでおり、有史時代の始めにアイルランド人は既にケルト語を話していました。進歩した社会・法律制度や、豊かな口伝の文化を持ち、宗教ではキリスト教が5世紀に守護聖人セント・パトリックによって導入されたと伝統的に信じられています。
アイルランドの南部と東部の大部分は12世紀にウェールズからのノルマン人に征服され、植民地化されました。ノルマン人達は次第にアイルランド社会に同化していきましたが、16世紀と17世紀にはアイルランド全体がイギリス(英国)の支配下におかれます。
アイルランド、特にアルスター地区は、宗教上の相違もあって土着の人々が同化しなかったため、イングランド・プロテスタント及びスコットランドからの移住者に没収されて植民地化されました。ノルマン人によって設立された植民地議会は、1782年に暫定的に自治権を認められるまでイギリスに従属していました。
1798年、フランス革命に刺激されアイルランドの独立を求めて、ウルフ・トーンとアイルランド人同盟をリーダーとして反乱を起こしたものの鎮圧されてしまいます。選挙民を代表する制度のないアイルランド議会は、1800年に自らの投票で議会を廃止。19世紀にダニエル・オコンネルはカトリック教徒に対する政治的差別緩和に成功しましたが、新しいアイルランド議会の実現には至りませんでした。
1840年代にジャガイモ飢饉によりアイルランド国内で100万人以上の人々が死亡し、数百万人が移民せざるを得なくなりました。英国議会のアイルランド議員団により、立憲的な手段によるアイルランドの自治獲得が試みられたものの功を奏しませんでした。19世紀には武装蜂起が各地で起きましたがアイルランド自治推進者たちは、1918年の選挙で圧倒的支持を得て、1919年に初めてアイルランドの国民議会を設立しました。
1921年、英国からの独立戦争の終結後、アイルランドを分割する条約が調印されました。アイルランド自由国(26州)は独立を果たし、北アイルランド(6州)は連合王国に残る事に。現在でもアイルランド南北統一を目指すカトリック系の過激派組織関係のトラブルが絶えません。
一方でアイルランド人のビール好きは想像を超え、それはアイルランドで見かけるパブの数が物語っています。複雑な歴史背景はあるものの、アイルランド人の気さくさ、陽気さはそれが信じられないほど。一度は、ギネス片手にアイルランド・ネイティブの人々と一緒に語りあいたいものです。
アイルランドの政治
アイルランドは議会制民主主義国家で、アイルランド憲法は政府の形態を規定、大統領、議会及び政府の権限と職務、裁判所の組織と権限、そして国民の基本的人権を規定しています。
大統領を国家元首とし、その職に複数候補者が有る時には、国民の直接投票で選出されます。アイルランドの国会は上下両院からなり、下院(ドイル)は166名の議員で構成され、少なくとも5年に1回の割合で選挙が行われ、18歳以上のすべてのアイルランド国民が選挙権を有します。上下院の主な政党はフィアナ・フォイル、フィネ・ゲール、労働党、進歩民主党、ワーカーズ・パーティーの五党。上院は60名の議員からなり、法案の提出、修正を行いますが、下院はそのいずれも拒否する権限を持っています。行政権は、下院に対して責任を持つ政府によって行使され、アイルランド政府の長である首相はティーショックと呼ばれます。
気候~日本・北海道との比較
アイルランドの緯度は北海道よりも北、樺太と同じくらいで、夏の平均気温は14~16度、冬もメキシコ湾流のおかげで4~7度程度と比較的穏やかな気候が特徴です。それでも日本と比較すると寒い点に注意が必要で、またアイルアンド国内では年間を通じて天気は変わりやすく雨が多めで、冬でも雪が積もることがほとんどありません。
アイルランド国内の交通~ダブリンから各都市への飛行機移動もおすすめ
アイルランド国内の都市間の移動に便利でおすすめなのが飛行機で、首都ダブリンから各都市へのフライトが就航しています。一方、ダブリン市内の交通手段にはDARTと呼ばれる電車があり、平日は短い間隔で運行していますが週末は時間間隔が空く点に注意が必要です。
その他、近郊まで走るLUASも便利。アイルランド国内はバスの本数も多いのですが、遅延が多いので利用時には時間に余裕を持つのがおすすめです。タクシーはメーター式のものが街を走っていて、停めて利用が可能。街中から外れると値段交渉で利用するタクシーもあり、交渉を行う必要があります。
使用言語は英語やゲール語
アイルランドでは公式には第一公用語がゲール語、第二公用語が英語ですが、実際は多くのアイルランド人が母国語として英語を話しており、ゲール語が日常生活で話されている地域は西部の限定地区のみ。ゲール語はさらにアルスター、マンスター、コナートと3つの方言に分類されます。アメリカ英語で勉強してきた日本人にとって最初のうちはアイルランドの英語は少し聞き取りにくいかもしれません。
日本との時差
アイルランドと日本の時差はマイナス9時間で、日本の夕方6時(18時)がアイルランドの朝9時。アイルランドのサマータイムは3月最終日曜日から10月最終日曜日までで、その間は1時間早くなり日本との時差はマイナス8時間となります。
アイルランドの祝祭日
1月1日 | 元旦 New Year’s Day |
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3月17日 | 聖パトリック・デー St Patrick’s Day |
イースターの直前の金曜日 | グッド・フライデー Good Friday |
イースター直後の月曜日 | イースター・マンデー Easter Monday |
5月の第1月曜日 | メイ・バンク・ホリデー May Bank Holiday |
6月の第1月曜日 | ジューン・バンク・ホリデー June Bank Holiday |
8月の第1月曜日 | オーガスト・バンク・ホリデー August Bank Holiday |
10月の最終月曜日 | オクトーバー・バンク・ホリデー October Bank Holiday |
12月25日 | クリスマス Christmas Day |
12月26日 | 聖スティーブンス・デー St. Stephen’s Day |
※2019年時点の情報。グッド・フライデーは公式な祝日ではないが、アイルランド国内では、ほぼ祝日とみなされている。
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