アメリカ西海岸、カナダとの国境に面するワシントン州。
その最大都市シアトルは、観光だけでなく、留学先としても人気があります。
語学だけでなく、コミミュニティカレッジや大学への進学、ワシントン大学エクステンションなどの選択肢があり、学生だけでなく社会人のキャリアアップにもぴったり。
日本で社会人になった後、海外研修のための時間を持つことは短期であっても難しく、中・長期なら退職して出発になるでしょう。それでも、シアトル留学なら、社会人として転職、キャリアの幅を広げてくれます。
シアトルだと、どのような選択肢があるのか、留学エージェント歴10年以上の私がご案内いたします。
シアトルへ社会人が留学する場合の選択肢とは
アメリカ西海岸、カナダと国境で接するワシントン州シアトルには、世界規模の企業の本社オフィスがあるってご存知ですか?
アマゾン、コストコにマイクロソフト、アメリカ通信大手であるTモバイルや、シアトルコーヒーで有名なスターバックスも、シアトルとその近郊に本社オフィスを置いています。
社会人になってからアメリカ留学をする場合、シアトルならアマゾンのオフィスは事前予約必須ですが、内部ツアーに参加も可能。マイクロソフト社にいたっては予約なく、無料で入ることができます。
どうでしょうか、社会人の短期留学でもシアトルならいろいろなもの見て、感じることができそうですよね。
そんな社会人のシアトル留学について、どんなものから選ぶことができるか順を追ってご案内いたします。
シアトルの語学学校で学ぶ
まずはオーソドックスな英語力アップを目指す、シアトルの語学学校への留学から。
社会人が語学学校に留学する場合のメリットを先にご案内します。
- 毎週月曜日に入学できるところが多く、自分の希望するタイミングで入学が可能
- 最短1~2週間だけの参加もできる
- 少人数グループレッスン、発言する機会も多く、会話力アップ
- 中級以上の語学力でビジネスコースに参加できる
日本で社会人が有給休暇と祝日をうまく利用することで2週間のお休みが取れた場合、シアトル留学にご参加するのであれば語学学校の英語コースになるでしょう。ほとんどの語学学校が毎週月曜日の入学が可能、最短で1週間から参加できる語学学校もあります。
英語レッスンは15名前後のグループレッスンとなっており、学校登校初日の語学力テストの結果であなたの英語力にあわせたクラスで世界中から集まる留学生と会話メインの英語を楽しく学ぶことができます。
またその他に社会人参加者向けにビジネス英語コースを提供している学校もあり、アメリカのビジネスシーンで使われる表現や語彙を、実際のシュミレーションに参加することで身につけることが可能です。
注意点として、ご参加には中級以上の英語力が必須となっており、シアトル留学前にしっかり英語力の事前準備をしておかなければなりません。
社会人になってからの語学留学の場合、英語力レベルが人それぞれですが、それぞれの社会人に合わせた選択肢がある、ということを知っておきましょう。言い方を変えれば、事前に英語力をしっかり身につけた社会人なら、シアトル留学での選択肢も増える、ことになりますね。
もし中級以上の英語力があってビジネス英語コースに参加できれば、社会人留学で一番求められるであろう、実際のビジネスシーンでの英語の使い方を学ぶことができます。
電話対応やメールの書き方、英語で各種対応方法、「こんなとき英語でどう言えばいいか」が分かれば、たとえ短期のシアトル留学であっても得られる達成感は大きいですね。
社会人を辞めることなくアメリカ、シアトルに留学できる選択肢はこれだけになると思います。これからご案内をさせていただく、コミュニティカレッジやエクステンション、そして転職・キャリアアップ留学は中長期間となるので、退職をしてからの留学になりますね。
アメリカのコミュニティカレッジで転職準備
アメリカにはコミュニティカレッジ(コミカレ)という教育機関があります。本来は文字とおり、コミュニティ、その地域に暮らす人達が学ぶための高等教育機関となっており、学術分野、それから職業分野の基礎を学ぶことが可能です。
シアトルとその周辺にも、このコミカレが多く存在し、日本の高校を卒業した生徒、休学中の大学生、それから転職・キャリアアップを考えるあなたのような社会人が英語やその他、各種コースで勉強をしています。
4年生大学卒業資格を目指す場合は、このコミカレで2年間基礎教養を学び、希望する大学へ3年次編入、そこからさらに2年間で卒業することが可能です。その他、これまで日本で社会人として働いてきたキャリアとは別分野の基礎を英語で学ぶこともできます。
具体的な例をあげれば、これまでいわゆる一般的な営業職として日本の社会人として働いてきたあなたが、どうしても旅行の仕事をしたいと思った場合。コミカレで旅行業の基礎、地理や旅行に関するルールなどを英語で学び、帰国後に日本の旅行代理店へ就職することができるわけです。
私自身、旅行業経験がありますが、英語力があることは海外のホテルとの交渉や、航空会社の現地担当者が日本に訪れたときの挨拶などで役に立てることができます。シアトルのコミカレではこうした旅行業の他に、航空業界や一般的なビジネスなどいろんな職業の基礎を学ぶことができます。
ただし!ひとつだけご理解いただいておくべき点として、コミカレ、それから大学卒ではアメリカで働きながら暮らす、までは出来ません。もちろん全く不可能ではありませんが、正規就職には厚い壁があります。
シアトルの大学は4学期(クオータ)制のところが多く、うち3学期、約9ヶ月の「アカデミックイヤー」と呼ばれる期間、勉強することでOPT、Optional Practical Trainingと呼ばれる、1年間の就労許可を申請することはできます。
コミカレや大学で専攻した分野に限り、1年間の有給就労を認めてもらえるのですが、期間が終了したらアメリカから出国しなければなりません。海外で働きながら暮らすということに関してはアメリカは厳しい国です。
基本的にはアメリカで希望する分野の基礎知識を英語で学び、日本に帰国してそれらの知識を活かし、就職する、これが前提となることを予め知っておきましょう。
前置きが長くなりましたが、シアトルとその周辺のコミカレへ進学する場合について説明していきますね。
まず、コミカレで自分が希望する分野の勉強をする場合には、最初に英語力が必要となります。コミカレごとに入学許可のための英語力は様々。基本的にはTOEFLiBT、またはIELTSといったアカデミックな英語スコアが判断基準となります。
それから、先述したようにシアトルのコミカレ、大学は4学期制の学校が多く、2学期(セメスター)制のカリフォルニア州などの学校より入学のタイミングが多くなっています。社会人留学の場合、入学タイミングが多い方が準備の調整もできるので便利です。
あなたが選んだシアトルのコミカレが提示していた入学のための英語スコアはTOEFLiBT60、そのギリギリのスコアをあなたが持っていたとします。入学のためのオリエンテーション当日、あなたや現地アメリカ人学生も含む全員が学力テストを受験します。
このテストの結果で、もしギリギリのスコア、英語力しかないと判断されると単位にはなるものの、あなたが求めるプログラムに必要ではない英語コースを受けることになります(これが1学期で終わる人もいれば、1年以上かかる人もいます)。
社会人が留学する場合に心配な留学費用、これが余計にかかってくることになるわけです。シアトルに限らず、日本での社会人生活で「自分には夢がある」とアメリカのコミカレや大学進学へ飛び出す前に、1度は留学ランドにご相談いただければと思います。
コミカレや大学進学を目的としてアメリカへ留学する場合、英語コースが終わらない、そのせいで留学費用が底をつき、泣く泣く帰国せざるを得なかったという学生が非常に多いことも、ご承知いただければと思います。
名門大学でのエクステンションプログラム情報
ワシントン州シアトルには社会人にぴったりの、もうひとつの留学方法があります。それが、ワシントン大学エクステンションでのビジネス英語プログラムへのご参加です。ワシントン大学、一般的にUW(ユーダブ)と呼ばれるこの大学は、周辺のコミカレで学ぶ学生が入学を希望する大きな目標。
世界大学ランキングでも、ビジネスをはじめ、その他分野でも上位にあるワシントン大学では、留学生向けのプログラムで英語やビジネスを学ぶこともできます。
最短3週間のBusiness Short Term English Program(STEP)では、英語でのプレゼンテーションなどの実践ビジネススキルを身につけることが可能。コース開始日が限定されており、かつ参加するためにはTOEFL、IELTSのスコアが必要。
ですが!日本の社会人にとって朗報なのが、TOEICスコア650以上でも申込みが可能なんです!
しっかり英語力の準備をして、ビジネス英語を身に着けましょう。もしあなたが長期、社会人留学としてワシントン大学のこれらのコース、エクステンションプログラムでビジネスを学びたい場合には、国際ビジネス英語コース(1クオータ)、グローバルビジネスプログラム(3クオータ)も用意されています。
STEPよりも求められる英語力はあがりますが、国際ビジネス英語、International Business English Program(IBEP)なら1クオータ、約3ヶ月間、ワシントン大学でビジネス英語、マーケティングや国際トレード、起業などについてじっくり学ぶことができます。
さらにグローバルビジネスプログラム(Global Business Program,GBP)ではワシントン大学のビジネススクールの講師が授業を行います。
3学期のうち、各学期ごとに学ぶべきテーマを決め、英語で学べる最高のビジネスコースを受講することが可能、さらにコース終了後にはOPTを利用して1年間の有給就労まで出来ます。
GBPは春学期、または秋学期のみの入学となっているため、事前にスケジュール管理を行い、入学のタイミングを逸しないように注意しましょう。
最後に、シアトルに社会人が留学するにあたり、それぞれのプログラムを選んだ場合にかかる必要留学費用を確認してみましょう。
シアトル社会人留学に必要なプログラム別留学費用一覧
シアトルに社会人が留学するにあたり、このページで紹介をさせていただいた各プログラムにご参加いただくのに必要な留学費用をそれぞれ、以下にご案内をさせていただきます。
まず語学学校への留学についてですが、語学学校KAPLAN International シアトル校の費用にてご案内いたします。KAPLAN Internationalは世界展開をしている語学学校で、Kプラスという独自メソッドにて効率よく語学力アップを目指します。
シアトル校はダウンタウンでもウォーターフロント地区で目の前は海。すぐ裏手には美術館、有名なパイクプレイスマーケットも徒歩でほんの数分、スターバックス1号店が向かいにあります。
この学校に2週間、お休みを上手に利用してご参加いただく場合の費用をご案内いたします。
コースは学生ビザ申請が不要な週20レッスン、平日半日のコースです。注意点として、KAPLAN Internationalの半日、パートタイムコースは英語レベルによって、レッスンが午前になるか、午後になるかが決まります。
滞在方法はレジデンス個室、週7食付きで往路空港到着時のお出迎え費用を含めています。
申込金 US$185
授業料 US$430x2週間=US$860
滞在手配料 US$50
滞在費 US$320x2週間=US$640
往路空港出迎費 US$140
合計 US$1,875
次にシアトル近郊のコミカレに通う場合の費用。社会人がスキルアップのため、シアトルの中心部にある、シアトルセントラルカレッジに1年間通った場合、以下の費用が必要となります。
この費用には授業料、学生同士でのシェアルームでの滞在費用や食費、交通費や教材費などシアトルでの学生生活に必要な金額がすべて含まれています。
シアトルセントラルカレッジ概算費用:US$20,939.16
最後にワシントン大学のビジネスコースにご参加いただく場合の費用をご紹介いたします。3学期、約9ヶ月間のGBPにご参加いただくと以下の費用が必要です。
こちらもシアトルセントラルカレッジ同様、9ヶ月間コースに参加しながらルームシェアで留学費用を抑えた場合の概算費用となっております。
ただし!こちらは1学期(約3ヶ月)の費用となっておりますこと、予めご注意を。
ワシントン大学グローバルビジネスプログラム概算費用:US$10,736
社会人の留学の場合、ご滞在方法としてレジデンスをご希望されることがほとんどです。また、シアトルセントラルカレッジとワシントン大学のビジネスプログラムは、授業料が安い分、シアトルセントラルカレッジの方がひよ言うを抑えられます。
とはいえ、社会人留学の場合、大切なのは目的です。シアトルセントラルカレッジの場合には、1年間のサティフィケートを選ばれる社会人の方もいらっしゃいますが、2年間の通学でアソシエート(準学士号)を目指す社会人の方もいらっしゃいます。
ワシントン大学のビジネスコースは修了後にきちんと参加していると修了証をもらえます。ご帰国後の就職活動の際にアメリカでの社会人留学をきっちりこなした証明として申し分ないのではないでしょうか。
社会人留学だからこそ、お忙しいとは思いますが、留学エージェントにて目的に合わせた留学カウンセリングにご参加いただきたいと思っております。社会人の短期留学であっても、学校やコース選びを、ご出発前の英語力をしっかり確認させていただければ、ぴったりの学校やコースをご案内できます。
また、社会人でシアトルへ長期留学をお考えなら語学+ビジネス英語とするのか、社会人のキャリアアップ留学として語学留学+コミカレでのサティフィケートを目指せるのか、はたまた社会人だからこそワシントン大学のビジネス英語プログラムからOPTまで考えるべきか、こちらもご予算や期間に合わせ、しっかりと留学エージェントをご利用いただき、プランニングしていただければと思います。
これからの新社会人は、英語が話せる人の方が多くなることでしょう。今、日本で社会人として働いていて、お仕事上英語を使う機会が増えてきた、と感じていらっしゃるあなた。是非、ワシントン州、シアトルへの社会人留学をご検討いただければと思います。