アメリカ西海岸、カリフォルニア州は日本人の多い地域としてよく知られています。特にロサンゼルスは長く大手自動車メーカーの拠点だったため、日本人向けのお店も多く、日本人留学生にも生活するのに非常に便利な場所です。
ロサンゼルスは留学先としてもアメリカでトップクラスの人気。語学のためだけでなく、コミュニティカレッジや大学進学を目的に、多くの留学生が日本から訪れる都市でもあります。
アメリカ留学ならロサンゼルスで、と思いつつ高い日本人比率が気になっているそこのあなた。日本人比率が高くて困る、という悩みを一緒に解決していきましょう。
このページを読み終えれば、きっと迷うことなくあなたが通いたいと思えるロサンゼルスの学校へ留学したくなるはずです。
ロサンゼルス留学で日本人は避けられない?
ロサンゼルス留学を検討する上で、日本人がいない語学学校はありません。と言うより、アメリカの人気都市への留学であれば、必ず日本人学生がいます。
誰も考えることは同じで、ロサンゼルスでも出来るだけ日本人がいない学校を探し、もし見つからないなら、場合によっては田舎の学校への留学を選ぶという人もいるくらいですから。
そもそもなぜ、あなたに限らず、日本人はロサンゼルスで出来るだけ日本人のいない語学学校への留学を希望するのでしょう?考えられる理由を確認してみましょう、誤解がある部分もあるのではないかと思います。
ロサンゼルス留学で日本人が多い?どうしても固まっちゃうんじゃない?
まず一番の大きな理由はこれ、留学中に日本人同士集まってしまい、ずっと日本語で話してしまうんじゃないか、という懸念ですね。私自信の留学経験を思い返しても、日本人は本当に、せっかくの留学期間中でも、他の国に比べて驚くほど固まります。
でも、きっとその固まっている日本人だって、本当はロサンゼルスで日本人が少ない学校を求めて留学してきたのではないでしょうか。何か理由があって日本人コミュニティに参加しているわけですが、その理由には以下のようなものが考えられます。
ロサンゼルス留学に来ても断れない日本人
留学到着当初、ロサンゼルスの語学学校はどこも日本人だらけと聞かされていたAさん(大学生、20歳)。ロサンゼルスの語学学校が提示している日本人比率データを見て、ロサンゼルスでもできるだけ少ない語学学校を選び、留学へ出発。
ロサンゼルスでの留学初日はクラス分けのテストとオリエンテーション。予想以上に筆記テストの出来が良かった反面、会話テストは何も言葉が出ませんでした。
そんな中、同じ日に入学する人の中に同じ年齢くらいの日本人が数人、でも接点を持ちたくないと心に決めていたAさんは自分からは決して近寄りません。ところが、相手の方から、「日本から、ですよね?さっきのテストどうでした?私全然話せなくて」と声をかけられます。
ここで今、日本にいるあなたなら、「そんなの無視よ、無視」と思えるかも知れませんね。
でも、アメリカ、ロサンゼルスに留学に来て、自分が思った以上に英語ができない、と打ちひしがれているところに同じ悩みを持つ人から、まさに悩みの内容そのものについて質問されたらどうでしょうか。
日本人には断れない、ノーと言えない文化があることを聞いたことありませんか?そんな状況下、Aさんは「そうなんですか?実は私も…」と返答。あとは日本のどこから?ロサンゼルスにはどのくらいの期間いるの?と知らない間に、アメリカ、ロサンゼルスまで来たのに固まっている日本人の一人になってしまいました。
頑張ってみたけど、英語ができずに日本人グループへ
Aさんがもし、断る勇気をもって「すみません、私はできるだけロサンゼルス留学中に日本語を話さないように頑張りたいので」と、日本人と絡まないようにしていたら、果たしてどうなっていたでしょうか。
無事、ロサンゼルス留学、学校初日を終えて滞在先に戻ったAさん、翌日からは一般英語コースに参加、時差ボケを治すためにも早々にベッドに入ります。翌朝、ロサンゼルスでの公共交通機関の乗り方に戸惑いながら、再度、語学学校に到着。張り出された自分のクラスを確認し、教室へ。
ちょっと早いかな、と思ったにも関わらずクラスにはすでに到着している他の国からの留学生の姿。相手から先におはよう、と英語で話かけられ、自分も咄嗟ながら返事ができました。
ロサンゼルス留学中はこんな感じで頑張ろう、とレッスン開始を待っていると…15人のクラスのうち、6人が日本人、4人が韓国人、3人が中国人で2人メキシコからの留学生という国籍比率が判明。
ロサンゼルスでも日本人比率が低い語学学校を選んで留学したのに、1/3が日本人なんて!と少々ご立腹ですが…これ、本当に実際によくあることです、覚えておきましょう。
ロサンゼルスにある学校ながら日本人比率が5%と書かれていたから選んだ、にも関わらず、実際のクラスは日本人が30%?と思うかもしれませんが、その理由は他でもない、本人の語学力のが原因です。
ほとんどの日本人は、クラス分けテストで、筆記は良い成績を取るのですが、会話テストが壊滅的。話す、ということに慣れていない、または試験官の質問が聞き取れないので、Intermediate(中級)のlower、またはBeginner(初級)のupperクラスに振り分けられます。
これはロサンゼルス留学、アメリカ留学に限ったことではなく、英語圏留学を検討するすべての人が知っておくべきポイント。最初の会話テストは単語の羅列になってしまっても良いので、とにかく話しましょう。あー、えーと、うーん、なんて言っているとテストが終わってしまい、低いレベルに振り分けられてしまいますよ。
クラス分けの結果、ロサンゼルスでも日本人比率が低めの語学学校であるにも関わらず、日本人ばかりのクラスに振り分けられてしまう、ということになったわけです。話す、聞くことが苦手な日本人に本当に頻繁に起こることです、くれぐれもご用心を。さて、Aさんの話に戻りましょう。
レッスンが簡単過ぎて退屈な一方で、講師から英語で「じゃあAさんはどう思う?」と突然、話をふられると、何も答えられないまま。でも同じクラスの中国人やメキシコ人はものすごく会話をしているのを見て、私はやっぱり英語ができないんだな、と落ち込むAさん。
ふと周りを見ると、他の日本人も同じように答えられておらず、やっぱり日本人にとっては難しいレベルなんだ、と半ばあきらめムードに。そうこうしていたら、レッスンが終わってランチタイム、ぞろぞろとクラスを出ていく中、初日に日本人からの誘いを断ったAさん。
せっかくアメリカ、ロサンゼルスにいるにも関わらず、とぼとぼと独りお昼を取ることになりました。本当は英語で他の国からの留学生、イメージとしてはヨーロッパからのクラスメイトと楽しく、英語が通じないなりに、ロサンゼルスでの初めてのランチを楽しく取る予定だったのに、と悲しくなってしまいました。
Aさんはどこで選択を間違えたのでしょう?いえ、そもそも何か間違いがあったのでしょうか?
こういう心境になったときには留学エージェントに相談してもらいたいので、私は留学カウセリングの都度、最初は落ち込むことも多いから、そんなときは絶対にメールしてきてくださいね、とお願いしていたものです。だって、Aさんは何も間違っていないんですから。
日本人からの誘いを断るのはAさんの自由です、何も間違ってはいません。そして最初の1週間は、クラスメイトに中南米、あと私の経験談になりますが、中国人がいると、本当にヒクほどよく喋ります。
なんでこんなに会話できるのに低いレベルにいるんだろう?と思って1週間、または2週間経つとわかってくるんですよ、事の真相が。彼らは英語「っぽい」、母国語混じりの英語を話しているだけなんです。逆に日本、それから韓国の学生は間違えて会話の腰を折ることが悪、くらいに思っているので遠慮して話しません。
3週間もすると、ロサンゼルスの生活に慣れ、日本人、また韓国人も英語を話すことへ躊躇がなくなってくるので発言を始めます。ですが高校生、大学生に多い短期留学だとこのくらいのタイミングで帰国、これから楽しく英語を学び、ロサンゼルスの街で英語を試せるチャンスなのに、と悔いが残ることも少なくありません。
せっかくロサンゼルスにきたのなら、できる限りレッスンに参加して、間違いだらけの英語で全然良いのでディスカッションに参加しましょう。語学学校は英語を間違えても良い、むしろ間違いを指摘されて、改善しながら語学力を身につける、そういう場であることを忘れてはいけません。
Aさんのように、他の国の人が間違いだらけで話しているのを見て、自分にはこのクラスが合っていないのではないか、とレベルを下げようとする人もかなりいらっしゃいます。ですが説明した通り、語学力がないから同じクラスにいるんです、決して諦めずにがんばっていきましょう。
Aさんの話でロサンゼルス留学と日本人比率の関係は…
ここまでの話でAさんに一つだけ不足していたものがあります、何だと思いますか?
それは、留学前の語学力、です。ロサンゼルス、日本人が特に多いサンタモニカの語学学校であっても、留学前に英語力を頑張って高めておくことで、日本人が多いレベル・クラスに振り分けられることがなくなります。
Aさんのように強い意志をもって日本人と接点を持たない、のは良いことなのですが、そのためにはある程度の語学力が必要であることも知っておきましょう。Upper IntermediateやAdvancedクラスなら、ロサンゼルスの語学学校で日本人が多くてもクラス内にはせいぜい数えるほどになるはずです(季節によっては多いこともあります、予めご了承ください)。
上級レベルの日本人学生は、同じ日本人でも英語でちゃんと話してくれますから。これはロサンゼルスに限らず、英語圏のどの国、どの都市に行って語学学校に参加しても言えることです。
実際、英語力がある程度あれば、日本人比率はそんなに気にせず、参加するコースの内容、その先の目標に合った学校かどうか、で選ぶことがほとんどです。
ロサンゼルスに行くのに、英語力がないなら日本人比率を気にすることはない、ということでは決してありません。ですが、語学力がない場合、日本人がより少ない都市を選んでも、クラスの日本人比率が高くなってしまう、ということはご留意いただきたいと思います。
国籍比率とメリット、デメリット
ロサンゼルスで語学学校を選ぶ際に、日本人比率を重視した場合のメリット、デメリットを考えてみましょうか。
もしロサンゼルスの語学学校で日本人が少ない場合に想定できるメリット、これは日本語を極力話すことなく、英語で他の国籍の留学生と交流ができる、というもののはず。もし、英語がまだ苦手でも、低いレベルにさえ日本人が少ないようなら、英語で会話をしなければならない状況になる、と思いますよね?
でも、実際はちょっと違います。ロサンゼルスで仮に日本人が初級クラスにもいない場合、クラスメイトは英語が苦手なアジア人ばかりになることがほとんど。日本人は中学、高校と6年英語を学びますが、他の国では必ずしも義務でない人たちもいます。
彼らは一生懸命、文法や語彙を学びますが、あなたにとっては中学1年生レベルにさえ感じることがあるかもしれません。まずお伝えすべきことは、日本人もアジアの一員であり、クラスメイトがアジア人でも、異文化交流ができ、英語で会話は出来る、ということ。
これから成長し続ける国際社会においては、むしろそうした交流に重きを置くべきなのですが、中には欧州の人がクラスにいない、とクレームを出す人もいるんです。
ちなみにですが、欧州からロサンゼルス、アメリカへ英語を勉強にくるほとんどの学生が中上級くらいのレベルからスタートします。
母国語以外に2言語は話せる人が多い欧州ですから、当然そうしたレベルになります。(実際、上級に行くとフランス、スイス、ドイツや北欧の学生さんも多いです)ですが、そうした語学レベルにある人は、アジア人とでも仲良く、一緒に楽しく語学を学んでいます。
ロサンゼルスの語学学校で日本人が少ないことで生まれるメリット、というものは元留学エージェントとして、また語学留学を経験した人間としてもほとんどない、と個人的に思っています。むしろ、デメリットの方が大きいのではないかな、と。
考えられるデメリットとして、まずアメリカという国、そしてロサンゼルスという都市を考えた場合に治安について考えざるを得ません。学校の先生が近寄らないよう、注意をする場所に自ら立ち入らない限り、そんなに危険な目に会うことはないはずですが、それでも置き引きなどに遭遇した場合、どうしますか?
日本から、海外旅行(留学)障害保険に入っていれば保険会社へ電話、対応をしてもらいますが、特に女性の場合、一人で外出することも怖くなってしまうことも考えられます。
英語が話せるなら、他国からのクラスメイトに英語で事情を説明して、助けてもらえるかもしれません。ですが、もし初めての留学で英語がまだ話せない場合、どうでしょう。日本人クラスメイトがいてくれたら、相談することも出来たかもしれませんよね。
日本人がいると固まってしまうから嫌だという気持ちはよく分かりますが、いなければいないで困ることもあります。特にロサンゼルスのような大きな都市の場合にはなおさら。この点も、よく注意して検討しましょう。
日本人同士、べったり何をするにも一緒にいること、そしてレッスンが終わって帰宅したらLINEやSkypeで日本の友達と日本語で会話、これは私も賛成できません。日本語を使うなら、週に決められた回数、家族に連絡をしましょう(ロサンゼルスのように楽しく過ごせる場所だとついつい家族への連絡を忘れがちです)。
日本の友達には海外にいることを伝えているはずなので、連絡は極力避け、現地ロサンゼルスで出来た友人と英語で話す時間を増やすべき。ロサンゼルスの語学学校で知り合った日本人同士も月に1、2度食事にいき、お互いがどうしているか伝えておくと、いざというとき便利です、上手なお付き合いを心がけてくださいね!