日本の高校を卒業して、オーストラリアの大学に進学留学を考える場合、基本的にはファウンデーション、と呼ばれるコースに参加して基礎教養を身につける必要があります。
ファウンデーションコースは約1年間(場合によって長短あります)、となると卒業は5年後?と思ってしまうかもしれません。
ご安心ください、オーストラリアの学士課程は基本的に3年間で修了、卒業となります。
学校によっては大学内で提供されているファウンデーションですが、私立の語学学校でも受講が可能。さらにはオーストラリア公立の学校であるTAFEでも同じ様に基礎を学び、大学への編入をすることができます。
ファウンデーションコースやTAFE、大学進学留学をする場合に必要な語学力、それからそれぞれ必要な留学費用など、何がオーストラリア進学留学に必要なのか、一緒に調べていきましょう。
日本とは違うオーストラリアの大学について留学前に調べておこう
日本の高校を卒業して、オーストラリアの大学に直接、日本人が出願・留学しようとする場合、まず教育システムの違いにぶつかることになります。
日本とオーストラリアの高校、何が違う?
日本はご承知の通り、小学校卒業後、中学で3年、それから高校3年間の勉強を修了(=卒業)、入試に合格することで大学への進学が可能になりますよね。
オーストラリアは小学校6年間は同じものの、中学校が4年間。中学卒業(日本の高校1年生)の際、進学を希望する場合には高校へ進み、2年間、自分が大学等で専攻したい学問の基礎を学ぶことになるんです。
オーストラリアの高校生たちはその2年間の成績、および卒業時の試験結果にて希望大学へ出願、審査の上に合否が決まります。
つまり、日本のように入試の結果だけで人生が決まるのではなく、オーストラリアでは高校生活をいかに送り、どれほど勉強をしてきたのかを重要します。その他、部活動や生徒会活動に参加していれば、それらをエッセイとして提出、自己アピールすることも可能、オーストラリアの大学側もそうした情報から、入学に相応しいかどうかを判断するわけですね。
受験方法が違うだけでなく、学んでいる内容も異なり、オーストラリアでは高校の2年間のうちに、大学の基礎教養にあたる部分も学びます。
これは、日本の大学だと1年生で勉強する内容となるんですが、当然、日本の高校生は未受講であるため、それらを学ばなければなりません。その基礎教養部分を学ぶコースがファウンデーションにあたり、無事終了すれば大学へ入学、3年間で卒業が可能、なるわけですね。
ファウンデーションって何?どんなことをするの?
ではオーストラリアのファウンデーションコースでは一体どのような勉強をするのか、気になりますよね?ちょっと具体例を挙げてみましょう。
オーストラリア・クィーンズランド州ブリスベンとゴールドコーストにキャンパスを持つ、グリフィス大学はオーストラリアでも最大規模の大学のひとつであり、他分野での学士号から博士号家庭を提供している人気の大学です。
グリフィス大学は学内でファウンデーションコースを提供、そのカリキュラムを覗いてみると…1年を3学期に分けており、うち2学期に参加する必要があります(8ヶ月)。
第1学期ではアカデミックコミュニケーションスキルと、コンピュータースキルが必須コース(これらは大学での講義を受け、レポートを提出したりするのに必須のスキルですね)、および選択2科目となっています。
第2学期はアカデミックコミュニケーションスキルその2、および相互学習スキルが必須(大学講義受講のため)、プラス選択2科目。
選択科目には、会計、上級数学、生物学、化学、基礎数学、システム分析基礎、マネジメント、マーケティング、メディアスタディ、社会学のいずれかを選びます。
ちなみに選択、とはありますが、大学で専攻する科目の基礎教養なので、専攻科目により何を受講するかは決まります。
無事、ファウンデーションを修了できれば、一番早いタイミングで大学メインコースがスタート、という流れですね。オーストラリアのファウンデーションコースですが、大学によって学内で受講できるものもあれば、学外・私立の語学学校での参加になるところもあるので、事前に確認が必要です。
何より留学生にとって大きな壁になる問題は、ファウンデーションコースに参加するにも、英語力が必要である、ということ。ファウンデーションコースに参加するには、IELTS(アイエルツ)という英語のテストで5.5~以上(大学、コースによります)、というスコアを取得しなければなりません。
海外進学を考える人向け、IELTSというテストについて
IELTSは4分野、読む(Reading)、書く(Writing)、聞く(Listening)、話す(Speaking)に分かれていて、それぞれ0~9(9が最上級)で採点、スコアはその平均点を取ることになります。
注意が必要な点として、オーストラリアのファウンデーションや大学の出願資格には、必要なスコアと、最低でもどの分野(または全分野)でx.x以上であること、といった条件がつく場合があること。例えばファウンデーション受講資格5.5以上、ただしListenig Speakingいずれも5.0以上必須、という場合は、スコアが6.0であっても、ListeningまたはSpeakingが5.0以下の場合には参加ができません。
5.5というスコアは高校を卒業したばかりの日本人にとってかなり高い壁。高校在学中にあらかじめ高い英語力が身についていることがベストですが、もしそうでなければ、オーストラリアの私立語学学校で学び、スコアが取れたらファウンデーション、最後に大学コース開始という流れになります。
オーストラリアに限ったことではありませんが、大学進学留学をお考えの場合、日本の高校を卒業するまでにどれだけ英語力が身につくかで、留学費用も大幅に変わってきます、なるべくお早めにご検討いただき、目標の英語スコアに向けてしっかりと勉強をしておいていただければと思います。
TAFEで基礎を学び、大学に編入しよう
日本人が大学に進学するための手段には、ファウンデーション以外にもう1つ、あります。それがTAFE、Technical and Further Educationという公立の学校でディプロマ資格を取得し、大学2年時に編入するという方法。
TAFEは北米でいえばコミカレ、ニュージーランドならポリテク、イギリスなら公立カレッジにあたる(オーストラリアにもありますが)高等教育機関。職業基礎の勉強から、アカデミックな勉強の基礎部分まで様々なコースを提供しています。
オーストラリアでも編入留学ができるわけですが、TAFEのディプロマ、その他コースに参加するにもやはり英語力は必要であり、コースにもよりますがIELTS5.5~の語学力は必要なものと考えておいた方が良いでしょう。
ちなみにファウンデーションは大学に進学留学することが前提なので、大学側が求めるGPA、成績平均点が取得できていなければ受講できません。高校の授業が退屈であまり参加せず、成績が散々だからオーストラリアの大学はダメか…と諦める必要はありません。
TAFEであれば出願資格は高校を卒業していること、それと英語力なので、頑張り次第ではTAFEでのディプロマ取得、その成績で大学への2年次編入も可能、ということになります。
おすすめは高校時分にオーストラリア大学留学をあらかじめ意識し、英語力を磨きつつ、しっかり成績をとることですが、高校3年生になってどうしてもオーストラリアの大学に進学留学したい、と思っても間に合いますよ、というお話。
いかがでしょうか、オーストラリアへの進学、方法はいくつかありましたが、ご自分の希望に沿うものを見つけていただけたのではないかと思います。次はいざオーストラリア進学留学が決まったら次に考えなければならないお金、留学費用について一緒に見ていきましょう。
オーストラリア大学留学の費用は?いくらかかるか調べよう
オーストラリアの大学に進むためにはファウンデーション、またはTAFEでディプロマ取得後に大学2年次に編入する方法があるというお話をさせてもらいましたが、もうひとつ、留学生には手段があります。
日本の高校での成績がとても優秀、かつ生徒会や部活動を積極的に行い結果を出しているような場合には、希望する大学から直接入学しても良いという許可がでることもあります。
その場合には、大学コースがはじめられる英語力が必要となるので、IELTSも6.0、または6.5以上のスコアが必要となりますのでご注意を。
オーストラリア大学進学留学の費用を調べるということで、まずは直接進学ができた場合にオーストラリアの大学の1年間の概算費用はどれくらいなのか、調べてみましょう。
年間学費 AU$27,500
ホームステイ費用 AU$275@週x48週間=AU$13,200
合算額 AU$40,700
日本円 約380万円
続いてそのグリフィス大学のファウンデーションコース費用を見てみます。
学費(2学期、8ヶ月) AU$20,900
ホームステイ費用 AU$275@週x32週間=AU$8,800
合計額 AU$29,700
日本円 約280万円
ファウンデーション(AU$29,700)+大学費用(AU$40,700×3年間=AU$126,060)=AU$151,800、日本円で約1,400万円が留学費用として最低でも必要になりますね。
グリフィス大学の学内ファウンデーションは正しくはグリフィスカレッジが提供しており、ファウンデーションからの入学以外の手段、ディプロマコースも実は提供しています。今度はグリフィスカレッジでディプロマを取得、大学2年時に入学する留学の場合、どのくらいの費用が必要になるか、見ていきましょう。
学費(3学期、1年間) AU$26,000
ホームステイ費用 AU$275@週x48週間=AU$13,200
合計額 AU$39,200
日本円 約370万円
ディプロマが取得できれば、グリフィス大学の国際ツーリズム・ホテルマネジメントで学士号取得が可能、合計はAU$39,200(ディプロマ費用)+AU$81,400(大学2年間費用)=AU$120,600、日本円で約1,100万円となります。
1年、留学期間が短くなっているため、留学費用が安いのですが、グリフィスカレッジのディプロマコース参加にも当然、英語力は必要です。
英語力が不足している場合には、英語コースへの語学留学スタートとなります。しっかりとした成績があって、かつ英語力がある場合、ファウンデーションからのスタートではなく、ディプロマ取得、そして大学2年次編入という方法のほうが留学費用を抑えられるのですが、これは学部、専攻によります。
すべての学部・専攻への編入が可能なわけではなく、ディプロマから編入できる専攻は限られます。あなたが本当に勉強、専攻したい内容がもし、編入でも可能であれば、ディプロマ取得からの編入も選択肢になりますが、もしそうでない場合には、ファウンデーションから大学入学、という留学になるわけです。
こうしたコース選びや大学選びはインターネットでご自身で調べることも可能ではありますが、留学エージェントとのカウンセリングで気づくことも少なくありません。
留学ランドでご案内しております、留学カウンセリング無料の留学ランドのエージェントで一度、カウンセリングにご参加いただければと思います。
それから、オーストラリアの大学は卒業後、最長2年間の就労許可がもらえます。大学でホテルマネジメントや観光業について学んだ場合、オーストラリアは現在観光産業が人手不足となっているので比較的良い仕事が見つけられる可能性があります。
こうした卒業後のメリットも含め、最後に、海外進学留学での渡航先選びで、オーストラリアの大学がオススメである理由を紹介していきますね。
海外大学留学でオーストラリアを選ぶべき5つの理由
早速、大学留学するなら、オーストラリアを留学先に選ぶべき理由を紹介していきますね。
オーストラリアを選ぶ理由その1.住みやすい街が多い
世界中にある都市の中で、住みやすい街としてメルボルン、シドニーが選ばれています。全体的に都市、ビーチ、緑に恵まれていて、留学期間中の生活の質が高いことはオーストラリアならではのメリット。
留学生活が充実していなければ、勉強もはかどりませんし、落ち込むことがあっても、気分転換がしやすいというのは大切なポイントです。
オーストラリアを選ぶその2.日本との時差がない
語学留学にせよ、大学留学にせよ、海外で生活している場合にどうしても日本の家族や友人と連絡を取らなければならない状況が出てきます。北米や欧州だと、大体昼夜が逆転しているのでなかなか連絡を取りづらい、どちらかが無理をしなければなりませんが、オーストラリアならその心配がありません。
インターネットが当たり前の今、海外留学中でも日本の友人と会話ができるようになっていますが、頻度は抑えるようにしましょう。オーストラリアにいて、英語漬けでいられるのは高い留学費用を払って滞在しているから、なのですから。
オーストラリアを選ぶ理由その3.治安の良さ
英国紙エコノミストが発表した2017年、世界で最も治安の良い都市ベスト10に、シドニー、メルボルンが入っています(ちなみに1位東京、3位大阪)。日常生活で何かに注意しなければ身を守れないという環境ではなく、安心して勉強に集中できることは、重要なポイントです。
とはいえ、オーストラリアでも大都市になれば置き引き、スリは出てきます。カフェで注文の合間にカバンを置きっぱなしにしたりするようなことはしないようにしましょうね。
オーストラリアを選ぶ理由その4.学生ビザでもアルバイトができる
カレッジに進学すれば限定的ながらアルバイトできる国は多いのですが、オーストラリアは学生ビザで、私立語学学校に通学している間もアルバイトが可能。費用のかかる留学、アルバイトができるのは嬉しいものですが、本来の目的である大学進学に向けた語学勉強がおろそかにならないように気をつけましょう。
学生ビザは語学、大学に限らず出席日数が8割を切ると警告、それでも改善されないようであれば退学・学生ビザ取り消し、強制的に帰国させられてしまうことに。アルバイトに注力しすぎて疲れてしまい、学業をおろそかにしてはいけません。
オーストラリアを選ぶ理由その5.大学卒業後にオーストラリアで就労できる
オーストラリアの大学卒業後、就労許可が出ることを説明させていただきましたが、それってそんなにいいことなの?と思われているあなた。大学留学で人気の高い、アメリカとイギリスの事情を一緒に見てみましょう。
アメリカは大学卒業後にOPT、Optional Practical Trainingというシステムがあるので1年間、学んできた専攻に沿った仕事に有給で従事できます。しかしながら、その後に就労ビザに切り替えができるか、というと厳しいと言わざるを得ません。もしアメリカで就労ビザまで考えるのであれば、大学院卒が最低でも必要になると考えた方が良いでしょう。
イギリスの場合、大学卒業時に就労ビザを申請しようとした場合、まず就職先が決まっていなければなりません。さらに加えて、年収が規定の金額以上であること、という条件まであり、現実的にかなり厳しいものとなっています。
一方、オーストラリア、それからカナダやニュージーランドは大学での学士号取得(=卒業)をすることで、一定期間の就労許可がもらえます。さらにその先に就職、最終的には永住権まで見えてくるので、いつか海外で暮らしたい、と思っているあなたに、おすすめの留学先となっています。
いかがでしたでしょうか、オーストラリアの大学への留学をお考えのあなた、その選択間違ってなかったのではないですか?
またその他の国で考えていた人も、オーストラリアが候補に上がってきたのではないかと思います。でも学校やコース選び、出願の手続きや準備にどれくらいの期間が必要なのかなどなど…
それは一度、留学カウンセラーにご相談ください!
あなたのオーストラリア大学留学が必ず結実することを祈っております。