高校留学の人気が高まり続けています。大学生になってからの留学よりも、英語を効率よく学ぶことができ、国内外への進学にも有利になります。
カナダやニュージーランド、アメリカ、イギリス、それからオーストラリアと、英語圏の様々な国へ卒業を目的に渡航している生徒さんが増え続けています。
そんな中からオーストラリアの高校へ、卒業目的で留学する場合には、どのようなメリットがあるのでしょうか。日本とオーストラリアの高校の違いとは?
他の国と比較しながら、本当にあなたの進学先に合っているのかどうか、確認してみてくださいね。
オーストラリアへ高校留学するために準備すべきこと
オーストラリアの高校へ留学を検討しているあなた、すでに留学エージェントでお話は聞かれていますか?
語学留学なら、インターネットでの情報収取で十分なほど、今は学校や各国、各都市についての情報が氾濫していますが、高校留学だけは別。内容、予備知識、それから高校留学をするなら、厳しい英語の勉強が必要。
さらに日本との教育制度の違いをしっかりと理解して、卒業資格取得の難しさを正しく理解している必要があること、未成年の留学でもあるので留学エージェントに必ず依頼をすべきです。今回は行き先をオーストラリアと決めている場合の高校留学に関して、事前に知っておくべき情報からご案内していきます。
日本とは違うオーストラリアの高校
まず日本の高校に進学した場合、履修する科目は学年・学期ごとに決められています。授業に出席し、テストである程度の点数を取れば、単位を落とす、ということはまずないでしょう。
しかしオーストラリアを始めとする、海外の高校では、単位を取るということはすごく大変です。授業に積極的に参加、すなわちディベート(討論)や、プレゼンテーション(発表)を自主的に行うこと、さらにレポート(宿題)は必ず期限までに提出、最後にテストを受けて規定のスコアが取れて初めて単位をもらえます。
席に座って聞いているだけ、宿題も英語で読むことが難しいからと遅れて提出などしていると、容赦なく単位を落とされます。
もうひとつ、私が留学エージェントをしていたときに高校生になるみなさんにお話していたことに、海外の高校生は大人として扱われる、ということがあります。
日本だと高校生だから、と寛大に処置されることがありますが、海外だと高校生は、自分の行動に責任が伴う大人、と見なされます。宿題が遅れたなら、それなりの評価をされます。その積み重ねで単位を落としても、責任は自分にある、ということを覚えておいてください。
オーストラリアの高校を卒業するとは?
日本の高校は学校に通い、授業に出席してテストを受ければ高校を卒業できますよね。しかし、海外の高校では国、場合によっては州などにより高校卒業資格、の意味が異なります。
その他の国の説明はまた別の機会にさせていただくとして、オーストラリアの場合を見ると、州によって取得しなければならない科目(必修科目)は異なりますが、Year12、日本の高校3年生修了時に統一試験を受験して合格する必要があります。ここ、卒業目的でオーストラリアの高校留学を目指すならとても重要です。
統一試験、HSC(Higher School Certificate)という試験の結果、それから高校生活で取得した単位および成績によって総合評価が決まり、その評価に応じて、オーストラリアの大学のどこに進学できるか、が決まることになります。
オーストラリア高校留学の卒業に関しては、毎日の勉強、試験、どれもが日本での高校生活で学ぶ勉強よりも厳しいものだ、ということを覚えておきましょう。
オーストラリアの高校にも私立と公立がある
オーストラリアで勉強する場合にも、私立、公立の高校に分かれます。
約3割が私立高校ですが、学費が公立高校より高く、カリキュラムも国際バカロレアやケンブリッジといった、特殊なものが受講できる、学生寮があるなどの違いが主な違いですね。
私立は留学費用が高い反面、授業ごとの人数が少ない、生徒数に対して職員数が多いなど環境が整っているなどの理由から選ばれています。
とはいえ、私立の場合には、卒業までにかかる留学費用が学校にもよりますが2,000万円~程度になることを考えると、公立高校でお考えになる方が一般的です。その公立へ申し込みをする場合、学校ではなく州へ出願、州内学区の条件、語学力に沿った学校へ希望を出すことになります。
公立高校の留学費用の例として、ニューサウスウェールズ州(シドニーのあるところです)の公立高校1年あたりの費用を紹介しておきますね。
NSW州高校留学費用 2020-21年
参照元:ニューサウスウェールズ州教育省(リンクします)
- 申込金:AU$290
- 授業料:AU$16,600(Year11,12)
- 学校制服:AU$250-300
- 滞在手配費:AU$350
- 滞在費:AU$350×48週間=AU$16,800
- 後見人費:AU$350+週@AU$20×48週間=AU$1,310
- 通学費:AU$700
- 現地保険費用(ビザ申請に必要):AU$600(12ヶ月分)
- 到着時の空港出迎費:AU$180
- 合計:AU$37,130
- 日本円:約282万円(2019年8月の海外送金レート)
出願の条件ですが、日本の中学校を卒業した後にオーストラリアの高校を卒業するための留学でお考えの場合、中学校の成績が平均以上(5段階成績の平均が3以上)、英語力は英検準2級以上が望ましいですね。
これらの情報とあなたの希望を含め、通学する高校が決まることになります。なお、公立高校の場合は滞在方法がホームステイとなります。
お申込みが数学期、または1年間といった限定的な認定留学の場合も、中学校と高校の通った期間分の成績、それから英語力を確認してからの出願となります。
オーストラリア高校留学の壁、HSP
日本の中学生が卒業目的でオーストラリアの高校留学する場合、どうしても最初に言葉の壁にぶつかってしまいます。留学生がオーストラリアの高校で授業を受講するのに困らない程度の英語力を磨く為のプログラム、それがHSP(High School Preparation)、高校準備コースです。
このコースで、オーストラリアの高校生と一緒に授業を受けられるよう英語力、各科目の専門用語などを身につけるんですが…どれくらいでHSPを修了できるかは、あなた次第、なんです。
英語力が何もないまま、やる気で乗り越えよう、オーストラリアについてからは一生懸命勉強する!では遅すぎる、ということ。もし、英語力がしっかり身についていて(英検2級程度)日本の中学3年生の3学期にあたる1月末から、オーストラリア留学を開始した場合には、日本の同級生が高校3年生の12月にあたる時期に、あなたはオーストラリアの高校を卒業していることになります。
または英語力が少し不足している状態(英検準2級程度)で同じように中学3年生の1月からHSPに参加、半年で修了することができれば、同じ用に日本の同級生より少し早く、高校を卒業することが可能。
日本の中学校に卒業式まで在籍、4月(2学期)からHSP、半年で修了する場合には、オーストラリアの学校に実質1ヶ月のみ、テスト期間を含む第4学期にしか在籍できないため、卒業が丸1年、遅れます。(日本の同級生が大学1年生に進み、11月を迎えるころに卒業、大学進学は1年遅れることになりますね)
もし、「日本の中学を3月に卒業、4月からスタート」した場合には実質、4年間の留学になり、費用もかさむことに。くれぐれもスケジュール確認を忘れないこと、それからもう一度、しつこいようですが、英語力、中学校で英語をとにかく身につけるようにしましょう。
高校卒業を目的とするオーストラリア留学
高校入学までの準備について見てきましたが、今度はオーストラリアに渡航した後、高校への入学、それから卒業までのスケジュールを見ていきましょう。
オーストラリアの高校生活スタート!
まず、現地の学校に進学すると留学生アドバイザー(International Student Coordinator)がいるので、オリエンテーション、科目履修などについて説明を受けます。
ここでも日本との違いが出てきますが、自分が将来、どういう仕事をしたいのか、何に興味があって大学でどの分野の勉強をしたいと思っているか、ある程度決めて、科目履修を進めなければなりません。
オーストラリアの大学に進学を考える場合、ですが、オーストラリアでは高校卒業までに、日本であれば大学に入学してから学ぶ、基礎教養にあたる部分を高校の間に学び、単位を履修、修了していることになります。
高校3年生(Year12)で受講する科目Aがその専門分野の単位であれば、高校2年生(Year11)に科目Aを履修するのに必須となる科目Bを履修しなければなりません。
自分が進む方面の科目を、オーストラリアの高校にいるアドバイザーに相談しながら、履修。なんとなく勉強するのではなく、将来の目標に向けて高校生の間にしっかりと目的意識をもって勉強しなければならない、ということですね。
滞在方法はホームステイ、オーストラリア留学のメリット
オーストラリアの高校留学の場合、私立も含めてほとんどの滞在方法がホームステイになりますが、これは他の英語圏への高校留学に比べて大きなメリットの1つになります。
ホームステイ、という言葉であなたはどういう滞在先をイメージされるでしょうか?大きなホストファザーに、優しいホストマザー、明るいホストシスターまたはブラザーと仲良く夕食の机を囲み、笑いが耐えない滞在先、というのはあくまでイメージに過ぎません!
基本的にホストファミリーは、留学生であるあなたに学校での勉強に向けた予習・復習のための勉強机、疲れをとってゆっくり休むためのベッド、契約に明記された食事(1日3食)、それから週に1度程度の洗濯といった契約書面上のサービスを提供するだけ、のもの。
アメリカやイギリスだとビジネスライクなホストファミリーも少なくありません。一緒に食事を取ることもなければ、外出することもなく、食事が冷凍食品ばかり、ということも。それでも、契約には違反していないわけです。
残念なことに日本人生徒のホストファミリーへの過剰な期待、に関しては悪名高く、私が留学エージェントをしていた頃も出発前にしっかりと生徒にホストファミリーの何たるかを説明するよう言われたことも1度や2度ではありませんでした。
そこで本題ですが、オーストラリアのホストファミリーは朗らかな方が多く、お休みの日に一緒にどこかへ連れていってくれたり、食事のときにも会話があるなど、楽しく過ごせる可能性が高い(残念ながらハズレもありますが…)、これはオーストラリア高校留学におけるとても大きなメリットだと私は考えています。
高校を卒業しても、ホストファミリーとの連絡は続き、ずっと仲良くしているという生徒さんも少なくありません。北米、英国のビジネスライクなホストファミリーはどちらかというと生活費の一部として留学生を受け入れているのに対し、オーストリアのホストファミリーは異文化を知りたい、積極的に留学生と交流をしたいというファミリーが比較的多いのではないかと思います。
ただ、再度書きます、ホストファミリーへは過大な期待はしないように。高校留学に限らず、ホームステイの目的は、学校での勉強が終わった後に宿泊でき、食事が提供される場所であること。プラス、もしかしたら、とても良い人と高校卒業までの間、中身の濃ゆい時間を過ごせるのかも、くらいに考えておくようにしましょう。
ちなみに、ホストファミリー宅での問題があった場合にはまず自分から話すこと。大手留学エージェントが非常に高額な現地サポートオフィスを設けていますが、彼らに相談しても同じことしか言いません、「まず自分で説明してください」と。なぜだか分かりますか?自分自身をホストファミリーに置き換えると見えてきます。
普段、仲良くしているオーストラリアの留学生があなたの家にいて、何事もなく楽しく過ごしていると突然、留学エージェントからあなたに「オーストラリアの留学生が食事がひどいとクレームを出している」と連絡が。その状況を考えたときに、思いませんか、「あんなに仲良くしてるのになぜ直接言ってくれないの?」と。
人から聞かされることは日本人であれオーストラリア人であれ気分の良いものではありません。まず自分から、伝えてみて、それでも全く状況が変わらないときに学校スタッフに相談してみてください、これを心がけるだけで、あなたの留学生活はより充実すること間違いなしです。
オーストラリアの高校を卒業、そして進学へ
楽しく厳しいオーストラリア高校留学生活もあっと言う間に終わりを迎えるときが。そうなると次の進路を考えなければなりませんね。日本の大学へ帰国子女として進学するのか、それともオーストラリアの大学を検討するか。
帰国子女、という言葉が出ましたが、留学していただけの人は帰国子女ではありません。定義としては、海外の学校(小学校~高校)に2年以上在籍し、かつ大学進学の意味で言えば、海外の高校卒業資格を取得した人、になります。オーストラリアの高校に1年間、認定留学をするだけでは、帰国子女扱いにはならないということですね。
ただ近年、日本の大学進学における、帰国子女枠は減少傾向にあります。AO推薦での出願が多くなってきていることも頭の隅に置いておきましょう。
あなたがオーストラリアへ、卒業目的で留学している場合の日本の大学への出願に関してですが、タイミングとしてはYear11の第3学期に、ご両親に希望する日本の大学の海外高校卒業者枠の出願要件を確認しておいてもらいましょう。前年の募集要項で、出願受付期間、必要書類、それから試験日を確認、できれば次年度(あなたが出願する年)の募集要項がいつごろオープンになるか、確認しておくとベター。
自分の出願年の募集要項が公開されたら、必要書類と条件、試験日を確認します。必要書類は学校のコーディネーターに相談、条件に関しては英語力でTOEFLやIELTSスコアを求められる場合には受験しなければなりません。もし受験日が記載されていれば、その日程中に帰国するため、学校を休まなければならないことを学校に予め通知しておく必要があります。
あなたの希望がオーストラリア国内での進学だった場合は、学校のコーディネーターがアドバイスをくれるので心配はありません。用意すべき書類があれば、期日を必ず守って準備しましょう。
オーストラリアの大学を卒業するまでの期間は基本的に3年間。早い人なら、日本の同級生より1年早く、社会人デビューをすることになりますね。オーストラリアは留学生が大学を卒業した場合、2年間の就労許可をもらえます。2年、オーストラリアで仕事をすることで海外での就労経験を身につければ、さらにその先に国際的な仕事を見つけられることでしょう。
オーストラリアへの留学、高校編はとりあえずここまで。
公立といっても各週ごとの違いもあれば、私立高校にも色々な種類があり、勉強がお好きな場合には是非取り組んでいただきたい国際バカロレア(IBDP)や、ケンブリッジなどもあります。詳しいお話に関しては留学ランドで紹介しておりますエージェントまで、資料請求、カウンセリングのご予約を、いずれも当然、無料です!